選挙のウグイス嬢になる方法。どんなことするの?


選挙のシーズンになると街中などで見かけるようになる、選挙カー。

あの独特のセリフ「○○~(名前)、○○を、どうぞよろしくお願いいたします!」
と候補者の名前を連呼する、ウグイス嬢と呼ばれる女性たちの声を耳にする機会も多くなりますよね。


実はわたし、かつて1度だけウグイス嬢を経験したことがあります。

それも、マイクも持つのは初めてといったレベルの、初心者のころです。
はじめから、やってみたい!とか、ウグイス嬢になろう!などと思ったわけではなくて、本当にたまたま流れで、お任せいただくことになったんです。


ひとつはっきり言えることは、素敵な笑顔と美しい声を響かせているウグイス嬢ですが、仕事はとんでもなくハードです!

ねこすきー

まだ社会人経験もなかった頃だからめちゃきつかった・・(たくさん怒られたし) でもなんとか最後までやり遂げたよ~! 


そんなウグイス嬢って、いったいどうしたらなれるの?どんなことするの?

など、一度は気になったことのある方もいるかと思います。
今回は、かつて経験した「ウグイス嬢体験」を、リポート的にお話してみたいと思います!

声の仕事がしたい!


そもそもどうして、マイクも持ったことのない初心者がウグイス嬢をすることになったのか。

声を出す仕事がしてみたい、と思いはじめた頃、どうすればなれるのかわからずいろいろ調べているうちに、とにかくどこかで習わなければ!と考えるようになりました。

スクールに通うためには、入所金やらレッスン料合わせて、安いところでも年間20万円くらいはかかります。

ねこすきー

どうしよう、入所するためのお金がない・・・・


そこで考えたのが、

ねこすきー

そうだ! マイク持って話すバイトすればいいんだ!
声出す練習にもなるだろうしな~


などと安易な気持ちで見つけたのが、とあるMC事務所のアルバイトだったんです。

MC事務所に登録


そうしてアルバイトを募集していたMC事務所に面接にいき、登録したものの、これまでマイクなど握ったことはありません。
どんなお仕事ができるのかもわかりません!

そんなスーパー初心者だったわたしは、挨拶での頭の下げ方や立つ姿勢、現場でのふるまい方などを、事務所の代表の方からそれは厳しくご指導いただくことになりました。
MC事務所というものがそもそも初めてだったので、「マイク持つ仕事ってこんなに大変なんだ!」と素直に研修を受けられたのがよかったのかもしれません。
厳しい指導も、声のお仕事をするためがんばらねば・・!と必死でした。

今思えば、こういったことをタダで教えてもらえる機会なんてラッキー以外の何ものでもないですよね。(ものすごく厳しい女性の方でした・・!)

ここでのご指導は、今でも心に鮮明に残っています。


そして一通りの研修を終えたところで、同じ事務所に登録していたメンバーが集められ、それぞれがウグイス嬢として、割り当てられた現場に行くことになったのです。
この時点で人数が減っていたような気がします^^;


思うに、時期的に人手が足りなくて、猫の手も借りたい状況だったに違いありません。

出発~はじめての声出し

早朝から地方に移動して現地集合だったので、5時には家を出発しました。
現地に7時に集合です。
土日を利用しての参加だったので、1泊2日で1人部屋のホテルをとってもらえました。

なんと初日から、候補者ご本人と同じ車に乗ることになりました。
高まる緊張感!


1人での参加で心細かったですが、別の事務所からもウグイス嬢の方が来ていました。
何年も経験を積まれているベテランの方で、立ち居振る舞いがとても素敵。

運転手の方も到着し、助手席には候補者が座ります。
後部座席にウグイス嬢2人を乗せて、8時には出発です。

ちなみに選挙カーから声を出してもよい時間は、8時から20時までと決まっています。


2人で30分交代で声を出して、有権者に呼びかけます。
声を出すのは片方ですが、もう一方も身を乗り出して、笑顔で手を振り続けます。

事務所での研修で、候補者の名前、政策などは頭に叩き込んでおきます。
当日原稿に目を通す余裕などほとんどありません。

話す内容は、ほとんどアドリブです!

「お手を振ってのご声援、ありがとうございます!○○です!」
「地元の皆様のために、○○が、勇気をもって立ち上がりました!」
「(道を歩いている親子に)赤い服を着たお嬢さま、○○です。どうぞよろしくお願いいたします!」

など、その場で言い方を変えたり工夫しながら、候補者の名前を憶えてもらえるようひたすら名前を連呼します。

お昼休憩


お昼休憩はちゃんとありました。

ボランティアさんの炊き出しなどもあったようですが、車で本部に戻るころには何も残っておらず、食べれたものはコンビニ弁当でした。(もちろんありがたかったです!)

初めてのマイクを持つお仕事、候補者が目の前にいる緊張感、慣れない環境で内心はぐったりでした・・が、ひたすら声を出し続ける必要があるため、落ち込んでいるひまなどありません。


つかの間のお昼休憩のあとは、また車に乗ってお仕事再開です!

午後からもひたすら声出し


午後のはじまりです。

ボランティアの方々が笑顔で送り出してねぎらってくださいます。


そしてベテランウグイス嬢の方は、疲れた表情などちらとも見せないんです!
涼しい笑顔でマイクを手に声を出し続けています。
もう、尊敬しかありませんでした。


疲れて倒れるのは、家に戻ってから。
引き受けたからには、今日と明日はがんばろう。

そう心に決めて、午後からも乗り切りました‥!


ちなみに選挙カーが事務所に戻って解散になる頃には、21時を過ぎていました。
1日がとても長いです。

2日目の終わりに


ようやく2日目を終える頃、ひとつの出来事がありました。
なんと、ペアで一緒にウグイス嬢を務めていた方が所属しているMC事務所の代表の方が現場にいらしていて、名刺を渡されたのです!

「うちの事務所にいらっしゃい」のようなことを言われ、どぎまぎしていたら、

「ずいぶん下手だからうちできちんと研修受けたほうがいい」
とのダメだしつき・・!
 
実際、もう1人のベテランの方のほうが圧倒的に活舌も声のボリュームも話し方もプロで、ずいぶんご迷惑をかけてしまったに違いないので返す言葉もありませんでした(*- -;)


そんなわけで、まさかこれがスカウトだと思えるわけもなく、連絡することはしませんでした。
でももし、このときこの事務所からのお声がけをありがたく受けていたら、今ごろは別の人生が待っていたのかもしれません。

そのほか注意すべきこと


赤信号など車が止まる場所では、声を出してはいけません。
また、病院や学校付近を通過する際も声を出してはならず、手前でタイミングよく話をまとめるようにします。
地図を把握している運転手の方が、手をあげて、声を止めるよう指示を出してくださいます。


候補者の方が車から降りる際には、後ろから付いていきます。
ウグイス嬢も、マイクを手に追いかけます。
ここで候補者の遊説の合間に話をタイミングよくまとめるのも、ウグイス嬢の役割です。
ここは、ベテランの方が担当してくださいました。


ウグイス嬢体験をリポート的にまとめてみましたが、いかがでしたか?


わたしの場合は、たまたま登録に行ったMC事務所からお仕事をいただくことになりましたが、このような事務所の募集を探して登録するのも、ひとつの方法だと思います。

ねこすきー

大変だったけど、いろいろ社会勉強になったよー!
全員一丸となって候補者を応援する独特な空気、ハマる人はすごくハマりそう!


また現在は、女性だけでなく男性の方も活躍しているようです。
(女性はウグイス嬢、男性はカラスボーイと呼ばれるらしいです。)


ウグイス嬢としての研修は、未経験者のわたしにとってはとても厳しく思えました。
でも現場では、誰も頼ることはできません。
周囲に気を配り続け、声を出し続ける気力・体力、そしてその時々の状況に応じた対応力が求められます。
現場でやり遂げるには、厳しい研修にも耐える必要があったのだなぁと今になってわかります。

結果として、ここでの経験は声のお仕事だけでなく、社会人として生きていく上でも役立っていると思います。



ちなみに、この経験をきっかけに複数のMC事務所に登録しましたが、事務所ごとに受注するお仕事内容は少しずつ特色があり、異なっているようです。
いろいろ登録にいってみるのも面白いと思います!

興味を持たれた方は、ぜひ自分に合った事務所を探してみてくださいね。

なんといっても、マイクも握ったことのなかった初心者でさえもできたんですから・・!
(当時は二十歳はたちになりたての頃でした!!)


ちなみに、冒頭でお話したようなスクールには入所できたのか?
それはこちらの、わたしのプロフィールをご覧いただけたらと思います!



ねころふすきーでした(=^・・^=)