うちには、13歳の女のコ(猫)がいます。
まだまだ元気ですが、猫としては老猫といわれるお年頃です。
生後8か月の頃からずっとうちにいてくれて、引っ越しなんかも一緒に経験して気づけばそばにいてくれる。なでればふっくら柔らかくて、なくてはならない大切な存在です。
そんなわたしが今回出会った本は、こちらです。
タイトルに ”ねこ” という言葉がはいっていると無意識に手にしてしまうのは、もはや猫好きのさがですね!
わっ、おっきい茶色のねこちゃんだ~~
表紙にどーん! と描かれていた茶トラの猫に心動かされ、そのまま借りることにしました。
ここから先、物語の感想です。ネタバレではありませんが、個人的に思ったことを書いています。読みたくない方は回れ右! してくださいね。
お話から伝わってきたこと
誰かのために、何かのために背筋をシャンと伸ばす。
為すべきことをきちんと考える。
そんな経験はありませんか?
きっかけは、ほんの些細なことかもしれません。
身近な存在の決意を知って、自分にも何かできるんじゃないかと思えたり。
あるいは、困っているだれかの支えになりたくて、自分でも驚くくらいの力を発揮できたり。
そんな決意が生まれる瞬間は、不意を突いて突然訪れることがあります。
このお話に登場する人たちのように。
心よりも先に身体が動いてしまう、そんな瞬間が。
児童文学というジャンル上、内容はとてもシンプルでわかりやすいです。
読むのが早い人なら、30分もあれば読めるのではないでしょうか。
わたしは、じっくりと場面ごとに話す人の気持ちを考えたり、間を感じながら読むのが好きなので、たぶんその倍くらいかかって読みました。
お話の主人公は、小学生の男の子・ぼくです。
そんなぼくが生まれたときから家にいるのが、ねこのことら。
小学生のぼくの目線を通すと感覚が素朴で、猫を飼ったことのない人は、猫といっしょに暮らすってこういうことなんだ。など発見があるかもしれません。
反対に家に猫がいる人なら、近くにいるのがあたりまえ過ぎて「あ、いる!」と思うことってあまりないかもしれませんね。
そばにいることが普通で自然で、”家族”ってこういう存在だよねっていうような。
それでも毎日の生活のいろんなところで、やっぱりうちのコが大好き!かわいい!
って思う場面はたくさんあると思うんです。
たとえば、朝出かけようとすると玄関まで歩いてきて、お行儀よく座って見送ってくれる。
帰るとどこからともなく出てきて(猫って足音しないから、あれ、いつの間に!?っていうことは本当に多いです!)お出迎えしてくれる。
ご飯を食べる時間になると同じタイミングで食べていたり、夜はいっしょに寝てくれたり、、長く暮らすほど、そのコへの愛しさが増していることに、ふいに気がつくと思うんですね。
ぼくや家族にとって、ことらはそういう存在。
今までもこれからも、そして今まで以上に、自分の家の猫を大事にしたくなる。
『ぼくんちのねこのはなし』は、そんなお話でした。
挿絵について思うこと
素朴であたたかいタッチのイラストです。
読んでいて、イラストの力にもあっと驚かされることがありました。
ひとつだけ気づいたことをご紹介すると、ぼくが小さい頃のことらが驚くほど大きいんです。え、ぼくとことら、同じ大きさなの? っていうくらい。
だけど、小学生のぼくとことらだと、ちゃんとぼくのほうが大きく描かれています。
こういうさりげない部分で、小さなこどもでも分かるように描いているんだなぁって感じます。
状況がわかりやすく優しく伝わってきました。
ことらのいろんなしぐさや表情、背中からも気持ちが伝わる気がしたよ~
まとめ
『ぼくんちのねこのはなし』を読んで感じたこと、思ったことを書いてみました。
出版されたのが2021年とごく最近なこともあるためか、共働きや在宅ワークなどといった家族のあり方や働き方が登場します。
今の時代を反映していると思うし、猫について知っておいたほうがいい知識なんかも出てきます。
児童向けに優しく書かれた本ですが、家で猫を飼っている人、今から飼おうかなと思っている大人の方にも、ぜひ読んでもらいたい本だと思いました。
(もちろん猫だけじゃない、大切な動物や生き物がいる方たちにもぜひ!おススメしたいです)
わたしは読んでよかったなって思います!
ねころふすきーでした(=^・・^=)
『ぼくんちのねこのはなし』
作者 いとうみく
絵 祖敷大輔
出版社 くもん出版
分類 児童文学
出版日 2021/12/26